残留塩素の測定方法

水道水の残留塩素は必要不可欠なものではありますが、度を越えてしまうとそれはそれで、有害なものにもなりうるので、常に残留塩素濃度を確認する必要があります。残留塩素の濃度を測定する方法として、DPD法というものがあります。N,N-ジエチルパラフェニレンジアミン硫酸塩を粉砕した粉末に、無水硫酸ナトリウムを加えた試薬を用いるのが、この方法です。このDPD法では、遊離残留塩素の測定は1分以内に結果が出ますが、結合残留塩素を測定する場合は追加試薬を用いる必要があります。


DPD法で結合残留塩素を測定する場合は、遊離残留塩素の測定終了後に、ヨウ化カリウムを加えます。ヨウ化カリウムの投入後は、よくかき混ぜで、2分間ほど放置しておきます。この残留塩素測定に使うDPD方法の試薬により赤色に発色した値を読み取りますが、結合残留塩素の測定値は、遊離残留塩素の測定により発色した値にプラスされているため、色が濃く出ています。結合残留塩素の測定は、ヨウ化カリウムによる発色値から、遊離残留塩素の測定による発色値を引いた値になります。残留塩素測定のためのDPD法で用いられる試薬は、N,N-ジエチルパラフェニレンジアミン硫酸塩を粉砕し、無水硫酸ナトリウムを加えて結晶粒を粉砕しない程度に混和したものであります。


残留塩素を測定のDPD法では、ジエチルパラフェニレンジアミンの試薬のみでは用いません。リン酸緩衝液によりペーハー(pH)を6.5に安定させたうえでDPD試薬を投入することになります。DPD試薬投入後はすぐに赤色に発色します。時間をおかず結果を読み取らなければならないのです。DPD試薬を用いた遊離残留塩素を測定では、時間が経つと徐々に色が出てくることがあるため、遊離残留塩素が多いと考えがちですが、数分後に濃い発色となっても無視する必要があります。DPD試薬投入直後の発色が正しい遊離残留塩素の濃度を示しています。


この残留塩素の測定のDPD法では、2種類の試薬を用いる必要があるため、若干の時間が掛かってしまいます。一方オルトトリジン試薬では、1種類の試薬で済むため、一回の残留塩素測定に10秒ほどの時間しか必要としません。オルトトリジン法の黄色に比べると、DPD法の赤色の発色は見づらいといわれることもあります。つまり利便性だけを考えるとオルトトリジン法の方が優れていたのかもしれませんが、利用者の安全性には代えられないでしょう。

水道水の残留塩素

日本における残留塩素についてみてみましょう。日本では、水道水の消毒は水道法第22条に基づき、行われています。この法律には、給水栓における水が、遊離残留塩素を0.1mg/L以上保持するように塩素消毒をすること、と規定されています。ただし、供給する水が病原生物に著しく汚染される恐れがある場合について、もしくは病原生物に汚染された恐れがある生物もしくは物質を多量に含む恐れのある場合の給水栓における水の遊離残留塩素は0.2mg/L以上とする、ことと規定されています。このようにして、飲料水としての水を確保するようなルールが組まれています。


遊離残留塩素を使う、または、結合残留塩素を使うのうちどちらが殺菌または消毒法として適したものであるというのは、安全面によっては水中に含まれ得る不純物の量や構成によって異なります。ですから言い切れることではありませんが、少なくとも経済面からすると少ない塩素注入量で済む方が良いのは明らかでありますし、水を飲むと言うことから言えば、水道水中に塩素化合物が増えることは手放しで喜ぶものではありません。上水道ではアンモニアやその化合物であれ、不純物が含まれないような水源を選ぶ必要があるでしょう。


そして水源を行政、地域住民、土地管理者が協力して管理していくことが肝要なのです。水道水の浄化につて、クリプトスポリジウムなどの原虫は、オーシストと呼ばれる酸化に強い膜に覆われ、水中を漂います。このような場合は残留塩素ではなくろ過処理の必要があるでしょう。水道水へ塩素を注入すると、一定量まではアンモニアや有機性窒素化合物と反応し結合残留塩素になり、更に塩素を注入していくと、結合残留塩素と遊離残留塩素が反応し、ともに消滅していきます。結果、残留塩素がゼロに近くなります。


水道水中の残留塩素がゼロに近い、塩素の注入量が不連続点と呼ばれているのです。ここから更に塩素の注入量を増やしていくと、再び遊離残留塩素が増加していきます。こうなると殺菌、消毒効果のある水道水になるというわけです。この処理では、水源の水質によって左右され、水質変化の激しいときには、塩素注入量の決定が大変難しいといわれています。しかし熟練された専門員がおり、このおかげで日本の水道水は世界一安全な水道水だといわれているのです。これは、日本の水道水が残留塩素の作用で確実に消毒されているからなのです。汚染から守られているのです。

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