残留塩素: 2008年3月アーカイブ

残留塩素の塩素

水道水などに残留されてしまう塩素とはそもそもなんでしょうか。塩素原子の電子親和力は非常に大きく、通常イオン化する際は一価の陰イオンとなります。単体としても塩素ガスは、常温常圧では特有の臭いを有する黄緑色の気体であります。反応性が高く、多くの金属や有機物と反応し塩化物を形成するのが特徴です。この塩素は、非常に強い漂白、殺菌作用をもつため、パルプや衣類の漂白剤や、水道水やプールの殺菌剤として使用されるようになったのです。


ただし、気体を扱うのは困難であるため、水酸化ナトリウム水溶液に化合させた次亜塩素酸ナトリウムの形で利用されることが多いというわけです。塩素は水道水の消毒に使用されていることで有名です。水道法の規定で、各家庭の蛇口で1リットル当たり0.1mg以上の濃度を保つように規定されているのです。しかしながら、この塩素の化合性が高いという特徴により、有機物と塩素が反応することにより、発がん性が疑われるトリハロメタンを生成するのです。これが問題となるのです。塩素で汚水処理を行うと水路に塩素化有機物が流れ出てしまうのではないかという心配もされています。


歴史的には、コレラなどの病気がほとんどの国で駆逐されたのは塩素を含んだ水道水のおかげでもあるとされているのです。塩素は強い毒性を持つ為、人類初の化学兵器としても使われていたことも事実です。塩素を吸引するとまず呼吸器に損傷を与えるのです。空気中である程度以上の濃度では、皮膚の粘膜を強く刺激するといいます。目や呼吸器の粘膜を刺激して咳や嘔吐を催し、重大な場合には呼吸不全で死に至る場合もある。液体塩素の場合には、塩素に直接触れた部分が炎症を起こします。


特に塩素を含む漂白剤と酸性の物質を混合すると、有毒な単体の塩素ガスが遊離し危険な状態となってしまいます。このように漂白剤には混ぜるな危険の表示があるというわけです。塩素系漂白剤と酸性洗浄剤を混ぜたことにより、塩素ガスが発生し死亡した事故が起こっているのです。さらに、塩素はオゾンホールの原因物質としても指摘されています。フロンなどの塩素原子を含む化合物が紫外線に当たると、結合が切断され塩素ラジカルが生じ、塩素ラジカルは周囲のオゾンと反応して触媒的にオゾンを酸素分子へと分解するため、オゾン層の破壊効果が大きいといえます。このようにして、塩素単体では大変に強い特徴のある物質であります。上手く安全に利用していくほかありません。

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